蝉しぐれがうるさい夏になりました。
夏だ!海だ!ビールが美味い!なんていうCMがあったでしょうか?
夏は散骨のシーズンです。
海での散骨は天候に左右されます。
冬は西風が強くなるので、散骨に適した季節は関西では、
4月〜11月初めくらいまででしょうか。
ですから、天候にも恵まれ、お休みも取りやすい夏は散骨のシーズンです。
先週、10年前にご主人様の散骨をした海に今年亡くなった奥様の散骨を行いました。
満州から引き上げてきた港、帰ってきた日本を初めて見た地、
舞鶴でご主人様の散骨をしたいと10年前にご依頼をいただきました。
大正9年生まれの奥様も引揚者だそうです。
和服をリフォームしたというエンジ色のコートがよく似合う可愛らしいおばあちゃまでした。
おばあちゃまと呼ぶのが似合う方でした。
満州でのお話、引き上げのお話、色々お聞きして、引き上げ記念館にもご一緒しました。
散骨後、「私も死んだらお願いしますね」とおっしゃていましたが、
それが事実になるとは・・・
でも、光栄なことです。
散骨後もおばあちゃまはお礼にとお菓子を送ってくださいました。
私からもお返しを送ったり、年賀状は毎年下さいました。
あるときは、劇団四季の「異国の丘」(シベリア抑留がテーマ)のチケットをお送りしたりしました。
おばあちゃまは私の中では、お客様ではなく、親戚のおばあちゃんのようになっていました。
そのおばあちゃまもしばらくすると老人施設に移られたようで、一昨年からは年賀状が届かなくなりました。
どうされているのかと思いながらも、ご連絡することもなく2年が過ぎた今年、
おばあちゃまの後見人という方から散骨のご依頼がありました。
お二人に子どもさんはなく、二人で舞鶴の海に眠るのが願いとおっしゃっていました。
91歳になったおばあちゃまは最後までお化粧をするオシャレな方だったそうです。
散骨当日は心配した雨も上がり、大阪湾は風が強かったのですが、舞鶴港は穏やかで無事に散骨を行うことができました。
ご主人様のご遺骨をミニ骨壷「黒に金の葉」に少し取っておかれていましたが、
そのお骨と一緒におばあちゃまは海に還っていきました。
これからは、ずっと一緒ですね。
思い出深い方とのお別れになりました。
にこり笑ったおちゃめなお顔が目に浮かびます。
▼水溶性の袋を破ってお骨を海に還します
▼お花を手向けます
▼お花は海面を漂って