思い出の香~金木犀
散歩に出て、近くの公園のキンモクセイに山吹色の小さな花がびっしり咲いているのに気がつきました。
マンションの植え込みにも1本発見、この花の香りだったかもしれません。
キンモクセイの香をご主人様の葬儀と結びつけて覚えていらっしゃる方からの投稿
(毎日新聞・女の気持ち10.22)
(前略)
漂ってくるキンモクセイの香に、あの日のことがよみがえる。
42歳で早世した夫を見送った日。抜けるような青空の下、たくさんの方に見送られ手の旅立ちだった。
納棺の際、いつの間に手折ってきたのか、義母が庭に咲き始めたキンモクセイの小枝をそっと入れていた。
(中略)
若いご主人様を亡くされた奥様、お母様の悲しみはどんなに深いかと・・・
現在、70歳になられた奥様は、
今では折りに触れて、あらゆることが、ただ懐かしい・・・・(略)
もし、私が先に逝っていたら、夫にはちょっとした瞬間に思い出してもらえればうれしいのかな。
自分はどんな形で人の心に残っていくのだろう。
そんなことを想像すると、ちょっと怖い気がする。
(略)
ほのかな香りに包まれて普段の自分を見つめ直してみようと考えている。
人は亡くなっても人々の記憶に残っているかぎり、その人は生きているといいます。
自分が死んだらどのような記憶として人々の心に残されていくのでしょう。
美しい思い出とはいかないまでも、イヤな思い出として記憶されることのないよう努力しようと思います。
終活という言葉がありますが、
この方のように「普段の自分を見つめ直してみよう」というのが本来の終活かもしれませんね。