映画「一枚のハガキ」南御堂シアターにて
まだ、まだですが、色づく前に散らないかと少し心配です。
さて、5日月曜日、南御堂シアターに行ってきました。
第2弾は 新藤兼人監督の最後の映画「一枚のハガキ」でした。
監督の次男でこの映画のプロデューサーの新藤次郎さんが映画の前にお話されました。
監督は4月22日に100歳になって、最後は老衰で今年5月に亡くなられました。
監督の経歴をはじめ色々なエピソードを交えて興味深いお話が聞けました。
その後、この日のために撮られた大竹しのぶさんからのビデオメッセージが流れました。
監督は実体験を映画にしていることが多く、私小説ならぬ「私映画」と言われるのだそうです。
一枚のハガキも戦争から復員してきた経験が大部分を占めているとか。
若い時に「世界戯曲全集」(48巻?)を読破し、シナリオライターとして活躍されたそうですが、なるほど、この映画もまるで舞台を見ているようでした。
舞台にしたら面白いかもしれないと思いました。
大竹しのぶ、豊川悦司、六平直政、大杉漣、柄本明などそうそうたる俳優陣で見ごたえがありました。
「戦争はまだ終わってない!」と叫ぶ豊川悦司
「戦争がみんな奪った!」と叫ぶ大竹しのぶ、
100歳を迎える監督が最後に選んだテーマです。
映画に登場する人はごく普通に生活している人々で、私でもあるんですね。たぶん。
戦争はどこか特別のところで、特別の人たちがしていたわけではなく、
今この瞬間も目の前にいる人の問題なんだと思いました。
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一枚のハガキ
「今日はお祭りですが
あなたがいらっしゃらないので
何の風情もありません。 友子」
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監督のお墓は京都にあるそうです。
妻であり、同士であった乙羽信子さんとともに建てた墓には新藤さんが「天」という字を書いた。
「天という字は二人と書く」からだ。
どこまでも女性を愛する監督さんです。