厨子(ずし)とは?
厨子(ずし)とは、大切なものや事柄を納める箱であり、仏像・仏画・仏舎利・経典などを安置するために使われる仏具のひとつです。「厨子」という名称は、貴族の家の台所である「御厨子所(みずしどころ)」から来ており、そこで使用されていた棚が「厨子棚」と呼ばれていたことに由来します。
厨子の起源は中国にあり、生命を繋ぐための食物や食器を大切に納める箱や棚が始まりとされています。その後、仏教の伝来とともに日本に伝わり、仏像や仏舎利を安置するなど、長い歴史の中で重要な役割を果たしてきました。
現存している最も古い厨子は飛鳥時代のもので、法隆寺に伝わる「玉虫厨子」であり、国宝に指定されています。
厨子の役割
「厨子」という言葉には、もともと「食物や書籍を入れておく戸棚」という広義の意味がありました。しかし、時代とともにその用途が変化し、次第に仏教の非日常的な仏具として使用されるようになったのです 。
現代における厨子の主な役割は、仏像や位牌などの大切なものを保護することです。厨子はホコリや汚れ、直射日光といった外的な刺激から仏像などを守り、保存状態を良好に保つために重要な役割を担っています。
厨子と仏壇の違い
仏壇は、主に先祖を祀るための祭壇として使われ、しきたりや伝統に基づいた厳かな役割を果たしています。
一方、厨子は大切なものを収める箱としての機能があり、より自由で気軽な使い方ができる点が特徴です。
厨子は、仏像や経典を安置するためのものとしてだけでなく、しきたりに縛られることなく、自分にとって大切なものを収め、心の拠り所とするために使うことができます。
浄土真宗は厨子を使う?
浄土真宗では、厨子ではなく仏壇を使うことが一般的です。
宗派によっては「厨子型仏壇」という形式も見られますが、これは主に日蓮正宗で使われていたものです。日蓮正宗はご本尊を特に重視する教義があり、そのために厨子型仏壇が取り入れられました。
現在では、宗派による厳密な使い分けは少なくなってきていますが、浄土真宗では伝統的に「仏壇」を用いています。
厨子には主に5つの種類がある
厨子には、代表的な「丸厨子」をはじめとして主に5つの種類があります。種類ごとにデザインや特徴が異なるので、ひとつずつ解説していきます。
丸厨子
丸厨子(まるずし)は、厨子の中で最も基本的なスタイルです。屋根に丸みを帯びているのが特徴で、一般的に家庭で使われる丸厨子は木製で漆塗りが施されていますが、中には赤い漆塗りのものも見られます。
扉には金色の金具細工が施されており、扉を開けると内部が金箔でコーティングされているものもあります。安い仏壇を選ぶよりも、上質で高級感のある丸厨子を選ぶのがおすすめです。
木瓜形厨子
木瓜形厨子(もっこうがたずし)は、横に広がった形状の屋根が特徴で、反り屋根式と呼ばれる柔らかな曲線を帯びています。
木瓜形厨子には、高級感溢れる装飾が施されており、和の仏具らしい落ち着いた雰囲気を醸し出しています。また、他の厨子と比較して大きめに作られていることからやや高額なので、購入を検討しているのであれば予算を多めに確保しましょう。
両面厨子
両面厨子(りょうめんずし)は、前後に扉が付いている独特のデザインが特徴です。代表的な例として「黒柿の厨子」が知られており、焦げ茶色のタイプも存在します。
両面厨子の前後に扉が付いている理由は、もともと棚として使用されていたためです。仏像や位牌の保存用に作られたものではないため、シンプルな作りとなっています。両面厨子は珍しいデザインであり、市場に出回っている数は多くありません。
帽額厨子
帽額厨子(もこうずし)は、軒下の部分に広い屋根があるのが特徴的です。木瓜形厨子(もっこうがたずし)と名前が似ているので間違われやすいですが、装飾の場所に違いがあります。
帽額厨子は、比較的リーズナブルですが、ネット上に出回っている数が少ないので、購入したい場合は仏具店に問い合わせてみましょう。
印籠厨子
印籠とは、江戸時代に薬や印鑑などを収納するために使用された携帯用の小箱ですが、印籠厨子(いんろうずし)はその形を模した厨子です。扉を開けるとご本尊が既に彫られているタイプもあり、新たにものを入れることはできません。
仏壇ではなく厨子を使うメリット
厨子には扉が付いているため、中に安置したものを簡単に隠すことができます。
人に見られたくない大切な仏像や位牌、その他の個人的なアイテムを安心して保管できる点が厨子を使う大きなメリットでしょう。さらに、厨子はしきたりや形式に縛られることなく、自由に使える点も魅力です。
伝統的な仏壇に比べてコンパクトで場所を取らないため、現代の生活空間にも適しており、自宅での手元供養にも最適です。デザインや装飾のバリエーションが豊富で、個々のスタイルやインテリアに合わせて選べるのも魅力です。
モダンでおしゃれなお厨子をご紹介!手元供養におすすめ
手元供養の新しいスタイルとして、モダンでおしゃれなお厨子が注目されています。伝統的な仏壇とは異なり、現代のインテリアにも馴染むデザインが魅力です。
ここでは、そんなモダンなお厨子の中から、特に手元供養に最適なアイテムをご紹介します。
ミニ仏壇|祈りのステージ風・厨子・卯の花(日本製)
ミニ仏壇「祈りのステージ風」シリーズは、日本を代表する工芸品「紀州漆器(黒江塗)」が使われています。紀州漆器は、職人が丹精込めて幾度も漆を塗り重ね磨き上げており、手作りならではの温もりを感じられます。
2寸サイズの骨壺が収まるサイズ感で、コンパクトなお厨子を探している方に最適です。祈りのステージ風・厨子・卯の花は、どのようなインテリアにも馴染む白いお厨子で、場所を選ばず設置できます。
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ミニ仏壇|祈りのステージ風・厨子・瑠璃(日本製)
祈りのステージ風・厨子・瑠璃は、宝石「瑠璃(ラピスラズリ)」の深い色合いをイメージしたお厨子です。
高級感あふれる落ち着いた艶が特徴で、シックなデザインとコンパクトなサイズ感が、どんなインテリアや家具にも自然に溶け込みます。
瑠璃の持つ静かな美しさと華やかさが、どのお部屋にも調和し、設置場所を選ばずにお使いいただけます。
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ミニ仏壇|祈りのステージ風・厨子・茜(日本製)
祈りのステージ風・厨子・茜は、日本の伝統色である茜色を際立たせる漆塗りが特徴のお厨子です。
暖かみのある茜色が、落ち着きのある祈りの場を演出してくれるでしょう。
内部の色をゴールドとシルバーの2色から選べますので、お好きな方をお選びください。
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お厨子との併用におすすめの骨壺や仏具をご紹介
今回紹介したお厨子はどれもコンパクトサイズなので、大きいサイズの骨壷や仏具ではなく、ミニサイズのものを選びましょう。
ここでは、お厨子と併せて使うのにおすすめのミニ骨壷やミニ仏具の人気商品をご紹介します。
ミニ骨壷|パステル|ホワイト(真鍮製)(日本製)
マカロンのような丸みのあるフォルムと優しいパステルカラーが特徴です。
手のひらサイズの小さなミニ骨壺ですが、真鍮製の本体はしっかりとした重みがあり、耐久性に優れています。万が一、地震などで倒れてしまっても中のご遺骨が飛び散ることがないので安心です。
自宅での供養に最適な骨壺ですが、コンパクトで持ち運びにも便利な設計なので、旅行や法事へも気軽にお持ちいただけます。専用の袋も付いており、カバンの中に入れても本体が傷つく心配がありません。
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手元供養の仏具|Potterinポタリン|オールインワン仏具(金)(日本製)
こちらは、花立、香立、火立、おりん(りん棒付き)をコンパクトに収納できる小さなオールインワン仏具です。
このモダンでおしゃれな仏具は、2015年にグッドデザイン賞を受賞しており、北欧テイストのシンプルさとかわいらしいフォルム、そして飽きのこないカラーリングが特徴です。
仏具らしくないデザインで、手元供養にぴったりのアイテムとなっています。ミニ骨壷と合わせて、季節のお花と共に小さな祈りのスペースをつくりましょう。
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おりん|ベル型おりんS・スリム(シルバー)(日本製)
こちらは、仏具としての機能をしっかりと保ちながら、シンプルで洗練されたデザインのおりんです。ベル型おりんは、高く軽やかな音色が特徴で、その美しい響きが心を癒し静かな祈りの時間をより一層豊かにしてくれます。
従来の仏壇や仏具には重厚で堅苦しいイメージがありますが、このおりんはシンプルでスタイリッシュなデザインを採用しており、現代のライフスタイルにも自然に溶け込みます。
故人を偲ぶ場所をもっと自分らしく、そして自分の好みに合った形で整えたいと考えている方におすすめです。
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アクリル位牌(名入れ無料)
こちらは、シンプルで透明感あふれるデザインが特徴の位牌です。アクリル素材を使用しているため、従来の木製位牌とは異なり、軽くて扱いやすいのが魅力です。
また、透明感のある美しい外観は、モダンなインテリアにも自然に調和し、故人を偲ぶ場所を清らかに演出します。お名前や戒名などの刻印にも対応しているので、個別のご供養に合わせたカスタマイズができます。
自由なスタイルで祀れるお厨子は手元供養に最適
仏壇と比べてコンパクトでデザイン性の高いお厨子は、自由なスタイルで祀れるため、手元供養に最適です。
従来の仏壇を置くスペースが無い方や、自分の理想に近い形で自由に供養をしたい方は、ぜひお厨子を取り入れてみてはいかがでしょうか。
今回紹介したお厨子に、ミニ骨壺やミニ仏具を組み合わせて、インテリアや好みに合わせた祈りの場を作ってみてください。