本来、お仏壇の飾り方は宗派によって異なるものですが、ミニ仏壇の場合は、形式にこだわらずに故人の写真や思い出の品を自由に飾ることができ、お部屋の雰囲気やインテリアに合わせて祈りの場を設けることができます。
従来のお仏壇とミニ仏壇の飾り方の違い
従来のお仏壇の飾り方は、基本的な飾り方にさほど違いはないものの、宗派によっては細かに異なる場合もあります。
一方で、マンション住まいや仏間がない家庭でも対応できるお仏壇として人気のミニ仏壇には、飾り方にルールはありません。
小型でお部屋のインテリアにもすんなりなじむおしゃれなデザインなので、置く場所を選ぶこともなく、必要な仏具を好きな配置で飾ることができます。
仏壇に最低限必要なもの(仏具)
必要な仏具をセットで購入する際は、一般的には火立て・花立て・香炉・仏飯器・茶湯器・線香差しと6点の仏具がそろっています。
しかしミニ仏壇など置くスペースが限られている場合は、最低限必要とされる火立て・花立て・香炉の三具足と呼ばれる3つの仏具をそろえるとよいでしょう。
【三具足】
- 火立て:ローソクを立てる台。ローソクは、あの世からこの世への誘導灯としての意味があります
- 花立て:花を飾る器。花を飾ることで邪気を払い空気を浄化する意味があります
- 香炉:お線香をたく器。お線香は、「香食(こうじき)」といって亡くなった方の食べ物としてイメージ。立ち上る煙は、この世とあの世をつないでいるといわれています
三具足をそろえたら、あとは必要に応じてご本尊・おりん・お位牌などを配置します。
従来のお仏壇の飾り方
従来のお仏壇は、上段・中段・下段と3つに分けることができ、各段ごとに一般的な飾り方が決まっています。
また、宗派によっても飾り方や配置が異なりますので、ここからは一般的な各段ごとの飾り方と、主な宗派による飾り方をご紹介します。
上段
お仏壇の中心に「本尊」を配置します。これはよくお仏壇の中に飾られている仏像のこと。 本尊は宗派によって異なるため、自分の宗派に合わせて選びます。
より丁寧に祀るには、本尊の両脇に「脇仏」という掛軸を飾りますが、これも宗派ごとに異なるので注意が必要です。
中段
まず中央に「仏飯器」と「茶湯器」の仏具を置き、その左右に本尊が隠れないよう「位牌」を配置します。
位牌は、一番下にご本尊がある場合は別として、ご本尊の目線よりも低い位置に置くのが基本です。
位牌が複数ある場合は、上座である向かって右に古い位牌を置きましょう。
下段
下段には、おりん、線香立て、火立て、花立て、香炉などの仏具を飾ります。
三具足の場合は、向かって左から順に花立て・線香立て(香炉)、火立ての順に配置するとよいでしょう。
収まりきらない場合は、前方の台などの使いやすい位置に置きます。
浄土宗の飾り方
仏壇の中央にご本尊の阿弥陀如来像、右に観世音菩薩像、左に勢至菩薩像、もしくはその掛け軸を配置します。
さらに観音菩薩の横に唐の善導大師、勢至菩薩の横に宗祖円光大師法然を配置するのが正式ではありますが、仏壇の大きさによっては省略されることも多いようです。
また、浄土宗はお位牌を必ず設ける宗派です。お位牌はご本尊の高さより高くならないサイズのものを選択。
配置は、先にご紹介した一般的な置き方で問題ありません。
浄土真宗の飾り方
浄土真宗の仏壇の飾り方は、配置と飾る仏具に注意が必要です。
また「浄土真宗本願寺派」と「浄土真宗大谷派」でも若干違いがありますので心に留めておきましょう。
【浄土真宗本願寺派】
仏壇の中央にご本尊の阿弥陀如来像を配置しますが、一般家庭ではその掛け軸を飾るケースも多いようです。
ご本尊と脇侍も本願寺派と大谷派では若干異なり、本願寺派はご本尊の後光が8本あるのが特徴。
脇侍には右に親鸞聖人像、左に蓮如上人像もしくはその掛け軸を飾ります。
浄土真宗では、宗派による考え方の違いでお位牌と茶湯器は配置しません。
【浄土真宗大谷派】
大谷派でも仏壇の中央には阿弥陀如来像もしくはその掛け軸を配置しますが、大谷派の場合ご本尊の後光は6本あるのが特徴。
脇侍には右に十字名号、左に九字名号を飾ります。 本願寺派と同じく、お位牌と茶湯器は配置しません。
曹洞宗の飾り方
仏壇中央に配置する曹洞宗のご本尊は、釈迦牟尼仏が一般的ですが、地域によっては阿弥陀如来や観世音菩薩を祀ることもあるようですので、購入前に確認するとよいでしょう。
脇侍には、右に高祖承陽大師道元禅師、左に太祖常済大師瑩山禅師を。いずれも掛け軸タイプで問題はありません。
スペースによっては、脇侍は省くケースも多いようです。
真言宗の飾り方
仏壇中央に配置する真言宗のご本尊は、大日如来。脇侍は右が弘法大師、左が不動明王で、いずれも仏像もしくは掛け軸を祀ります。
位牌に決りはないので、仏壇に合ったものを選びましょう。
真言宗は分派が多いのが特徴で、その宗派や地域によっては脇侍が変わる場合もあるので、購入の際は確認が必要です。
ミニ仏壇の飾り方
さまざまなタイプのミニ仏壇がありますが、基本的にはミニ仏壇の飾り方にさほどの決まりはありません。
故人のイメージや遺された人の想いに合わせて、好きなように飾れるのが特徴です。
「自由に」とはいっても、初めてミニ仏壇を置く方は少々戸惑うこともあるでしょう。
ここでは、ミニ仏壇が一般的にどのように配置されているのかをご紹介します。
ミニ仏壇の配置
従来の仏壇は和室の仏間に飾ることが多かったのですが、現代の住宅事情も考慮して作られたミニ仏壇ですので、基本的にはどこに飾ってもまったく問題はありません。
仏壇を置く意味合いを考えると、家族がいつでも好きなときに手を合わせられる「リビング」などがおすすめです。
もちろん和室や寝室など、自分が置きたいところがあればそこに配置しても大丈夫です。
ただし木製のミニ仏壇の場合は、材質の劣化を防ぐためにも直射日光や冷暖房が直接当たる場所、湿気の多い場所は避けましょう。
ミニ仏壇を飾る向き
ミニ仏壇を飾る向きについてももちろん自由ですが、なかには宗派や方角が気になる方もいらっしゃるかもしれません。
例えば「仏壇を北向きに置くのはよくない」という考え方については、北を背にして仏壇を配置することで、風通しがよく直射日光を避けられるという、古来日本家屋の向きからきた思想のようです。
一方「仏壇を東向きに置く」という考え方もあります。西方浄土といって、極楽浄土のある西に向かって拝めるようにとの思想です。
そのほかにも、宗派の総本山のある方向に向かって拝めるように仏壇を配置するという考え方や、風水上「鬼門」にあたる北東の方角には置かないなどの考え方もあります。
このように、宗派や思想によっても仏壇を飾る向きはさまざまで、正解がないともいえますので、住宅事情に合わせ都合のよいところに置くのがよいでしょう。
仏具の飾り方
仏具は、ご先祖や故人を供養するためのもので、香立て・花立て・火立て・仏飯器・茶湯器の5つが基本です。
ただしミニ仏壇の場合はスペースが限られていることもあり、香立て・花立て・火立ての三具足のみを飾ったり「仏具は置かない」といった場合もあります。
手元供養をされる方でしたら、分骨したご遺骨を納める「ミニ骨壷」をミニ仏壇に置く飾り方もあるでしょう。
【お位牌の配置】
ミニ仏壇の中でも、従来の仏壇をコンパクトにしたデザインの仏壇でしたら、本来ご本尊を置く位置(中心)にお位牌を配置します。
【ミニ骨壷の配置】
ミニ骨壷は、お位牌の近くや写真の近くに添えるとよいでしょう。「線香をお供えする」という観点からは、仏具よりも上の位置に配置するのがベスト。
【仏具の配置と飾り方】
ミニ仏壇に段差がある場合は、お位牌やミニ骨壷よりも一段下に仏具を配置します。
飾り方としては、左から花立て・香立て・火立てを配置し、さらに右下の位置におりんを飾るというのが一般的です。
一方で昨今は、従来の仏壇の形にとらわれない、モダンでインテリア性の高いミニ仏壇もあり、そのような仏壇であれば、仏具やミニ骨壷、おりんなどもより自由に配置いただけます。
ここからは、さまざまなデザインのミニ仏壇について、飾り方も含めてご紹介していきます。
ステージタイプのミニ仏壇の飾り方
ステージタイプのミニ仏壇は、オープンな台の上に故人の写真やミニ骨壷などを飾ります。
オープンになるので、いつでも見られる位置に写真を飾ったり、周りのインテリアになじむように飾り方を考えたりするとよいでしょう。
では、ステージタイプのミニ仏壇を実際に見てみましょう。
ミニ仏壇 | 祈りのステージ風・卯の花
英語では「JAPAN」と表記される、日本の伝統工芸「漆塗り」。
その中でも代表的な、紀州漆器(黒江塗)で作られたミニ仏壇は、職人の手仕事が冴えわたる上品な艶がとても見事です。
和の美しさを持ちながらも、開放感のあるデザインと神聖なホワイトの色が、どんなお部屋にも違和感なくなじんでくれます。
引き出し式のステージは横幅が33㎝、奥行が18㎝あり、小さな花立てやローソク立て、香炉、おりんなどの仏具が配置できるサイズ感です。
シンプル設計ですので、自分らしい自由な飾り方をしていただけます。
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ミニ仏壇 | 祈りのステージ風・漆黒
伝統的な仏壇に使われた黒漆と、風が通り抜けるようなモダンなデザインが融合した格調高いミニ仏壇です。
ミニ仏壇ながら存在感もあるので、仏間に伝統的な飾り方でしつらえても、洋間にモダンな仏具とともに飾っても、上質な祈りの空間ができます。
黒は、すべての色が混ざり合った懐の深い色。なかでも漆の艶の黒は、メタリックな色も、かわいいカラーも落ち着いた印象にまとめます。
引き出し式のステージには好みの仏具を置いて、故人を偲ぶとよいでしょう。
総高15cmまでのお位牌なら、従来の飾り方のように仏壇内に納められます。
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ミニ仏壇 | 祈りのステージ・和やわらぎ(L)| オープンタイプ
自然木を生かしたアーティスティックなミニ仏壇は、飾り方によってどのようなライフスタイルにもなじみます。
白い木のアッシュと柔らかな茶色の木のブナを背面に、重厚なこげ茶色のウォールナットをステージに使用。
3種類の木の違いは穏やかなハーモニーを奏で、ミニ骨壷や遺影を包みます。
自由に飾れるナチュラルな木のステージは、さまざまな骨壷や仏具のほか、思い出の品とも優しく調和して生活空間の中の祈りの場を演出します。
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ミニ仏壇 | 祈りのステージ・はるか(木製台・オープンタイプ)|ダークブラウン
祈りのステージ・はるかは、堅苦しさをなくしたカジュアルな祈りの空間を作りたい方に、おすすめのミニ仏壇です。
ウッド素材のナチュラルなテイストでありながら、お色違いのライトブラウンと比べるとより落ち着きのある神聖な印象に。
ステージはミニ骨壷を2つ配置できるサイズ感ですので、ご両親の手元供養をされたい方にもおすすめです。
高さを十分に取った台座に、ミニ骨壷を包み込むようなやさしいカーブを描く背面を付けたデザインは、祈りの場にささやかな特別感を演出してくれます。
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ボックスタイプのミニ仏壇の飾り方
ボックスタイプのミニ仏壇は開閉できるため、急な来客があるときなど状況に応じてフタの開け閉めができるのが特徴です。
それでは、おすすめのボックスタイプのミニ仏壇をいくつかご紹介します。
ミニ仏壇|やさしい時間 祈りの手箱|ブラウン
「初めてで仏壇の飾り方が分からない」という声に応えてできたのが、ボックスタイプのミニ仏壇「祈りの手箱」。
写真立てや基本の仏具、ロウソク、お線香など、ご供養に最低限必要なものがすべてセットされています。
幅30cm、高さ22.5cmの木目が美しいミニ仏壇は、落ち着いたブラウンのアースカラー。
フタを閉じると洋風のインテリアにも違和感なくなじむので、洋風の部屋に飾りにくいお位牌やご本尊を納めてもよいでしょう。
内側の高さは約18.5cmですから、総高が18cm弱のお位牌なら納められます。
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洋風ミニ仏壇セット|やさしい時間 祈りの手箱
急なお別れで心が落ち着かず、手元供養を始めたい方に最適のミニ仏壇セットです。
上記のブラウンと同じ大きさのミニ仏壇は、木肌の色を生かした明るいナチュラルカラー。
温かみのある手作りガラスの仏具とシンプルな写真立てのほか、ミニ骨壷「パステル」と、カラフルな「虹色おりん」をセットにしました。
軽やかな色のミニ骨壷と小さなおりんで、祈りの場を優しく演出できます。
故人の好きだった色やインテリアに合わせて選び、自由な飾り方で故人を偲んでください。
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フォトフレームタイプのミニ仏壇の飾り方
故人の写真をメインに飾るフォトフレームタイプのミニ仏壇は、より自由な飾り方でご供養したい方に最適です。
おすすめのフォトフレームタイプのミニ仏壇をご紹介します。
ミニ仏壇 | 祈りのステージ・ピクスタルPicstal
シンプルな木のステージに、写真と小さな仏具などが飾れる、フォトスタンドのようなミニ仏壇です。
ステージの後ろの切れ込みには、個人の写真や思い出のポストカードなどが飾れます。
写真の前のステージには、ミニ骨壷を置いたり、小さな仏具を並べたり…。 宗教色もない手元供養がよければ、ミニ骨壷と小さな遺品という飾り方もよいでしょう。
フォトスタンドのようなミニ仏壇ですから、わずかなスペースに置け、飾り方は自由にアレンジできます。
心のままに飾って、故人とゆっくり向き合ってください。
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モダンなミニ仏壇セット|アリーナ・ホワイト
モダンなミニ仏壇のアリーナは、自由な発想で飾り方が増えていくミニ仏壇といえるでしょう。
スティール製の本体は、存在感がありつつも薄型のため、さまざまな場所に飾れます。
付属のマグネットで写真を飾るだけでなく、マグネット式の小さなフックなどを利用して遺品のペンダントなどを飾れば、メモリアルスペースにも。
セットのミニ骨壷「パステル」は、淡くきれいな色が印象的。本体の白がその美しさを際立たせます。
本体は何かを抱くようなやわらかな曲線を描いているので、中央にミニ骨壷を置き、家族の写真を本体に貼るのもよいでしょう。
モダンな仏具と澄んだ音色のおりんもセットになっており、初めての手元供養にぴったりです。
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ミニ仏壇|OTOオト2・ブラウンセット
スペースを取らない祈りの空間を作りたい方にとてもおすすめしたいのが、フレームタイプのミニ仏壇セット、OTOオト1・ブラウンセットです。
ダークカラーが落ち着いた印象。お写真がよく映えるのもおすすめポイントです。
セットになったミニ骨壷は、個性豊かでデザイン性の高い骨壷6種類からお選びいただけますので、こだわり派の方にもきっと納得のいくミニ骨壷をお選びいただけるでしょう。
澄んだ高い音色がとても美しいおりん「たまゆらりん」は、その名のとおり、りん棒で音を出すと、おりんの上部がゆれる構造。
まるで、ゆらゆらと故人の存在を感じさせてくれるような癒やしを与えてくれます。
洗練されたデザインの置台がついていて、とても上品にセンス良く飾れるのも魅力。
シンプルなセット内容ながら仏具のデザインにこだわった、ハイセンスなミニ仏壇セットです。
ミニ仏壇なら形式にとらわれない自由な飾り方を実現
ミニ仏壇の飾り方が自由でよいのは、遺族の故人への想いを最優先してほしいから。
大切な人を失った悲しみを乗り越えるには、思い出を振り返ったり、手を合わせて祈る場所が必要です。
ミニ仏壇はそんな遺族の想いと現代の住宅事情を考慮して、お部屋のインテリアにもなじむデザインで、祈りの場をより“身近に”日々の生活の中に設けられるよう作られました。
ミニ仏壇を豊富に取り扱う未来創想では、ご遺族の方の悲しみに寄り添い、前向きに歩いていくお手伝いをさせていただきます。
初めてで何をそろえてよいか分からない方には、必要な仏具がそろったミニ仏壇セットがとてもおすすめ。
形式にとらわれず自分らしい供養がしたいとお考えの方は、ぜひ私どもにお任せください。